最近の骨折治療について
かなりブログをご無沙汰しておりましたが、ここ半年くらいの間であった骨折治療についてのご紹介をさせていただきます。
①トイプードル 2㎏の小型犬で1年前にも骨折歴があり、飼い主様もかなり気をつけておられましたが・・・。
前足(橈骨・尺骨)遠位骨幹端の短斜骨折をしてしまいました。
整復後
1ヶ月経過してスクリューを2本抜去
2ヵ月後スクリューとプレートを除去
上から撮影したレントゲン
最終的に2ヶ月過ぎて完治しましたが、今後も気をつけてくださいね。
②トイプードル 成長期によくある大腿骨の病気ですが、大腿骨の先端が壊死してしまうためレントゲンでも骨密度が薄くなってしまいます。後肢のびっこが鎮痛剤を使ってもなかなか治らない場合は、手術で骨を切ってあげることで痛みが取れ、リハビリ後には通常の生活ができるようになります。
手術前、向かって左側の足の付け根の部分の骨が黒く透けてきています。
写真では先端部の骨を電動ノコギリで使い切除します。
その後は、リハビリを頑張って、今は通常の歩行ができるようになっております。
③トイプードル 脛骨(すねの骨)ソ面の剥離骨折
成長期の犬で起こりえる骨折ですが、まれな骨折です。最初は、ほとんどずれがなくて外部から固定することで再生できないか?1週間経過を見ましたが、どんどん剥離していくためワイヤー2本を使い固定しました。
上から見ると何もないですが、横撮影では少しずれています。
1週間ほどで大きくずれてきたため、手術へ。
④ネコ 帰ってきたらあごがずれていて、明らかに下顎骨折がありました。
ワイヤーと創外固定器を使い固定し、食事がとれないため食道チューブをつけて1ヶ月。
なんとか顎はずれることなく、骨の再生は進み、更に1ヶ月後には、このワイヤーも除去して自由の身になりました。
⑤猫 後肢の指の骨折 他の病院からの紹介で手術しました。
0.9~1.1mmの細いワイヤーをいれて、ギプス固定も併用しました。
現在も治療の途中ですが、なんとか大丈夫そうです。
⑥トイプードル 1.6㎏の小型犬で飛び降りた時に指の骨を骨折してしまいました。
残念ながら、このサイズに入るワイヤーはないため、ギプス固定により治療しました。
2ヶ月間、できる限り安静を試みましたが、元気なワンちゃんだったため1本だけ再生が微妙でした。
ただ、普通に歩行はできるためギプスなしで安静だけお願いしてそのご2週間後の検査ではほぼ骨再生があったため終了となりました。
最近の傾向では、ほぼトイプードルか、外に出る猫の骨折のような気がします。
日常生活でも起こりますので、ご注意ください。