エバンス症候群(赤血球と血小板がなくなる病気)
血液の病気にも色々ありますが、今回は、2種類の血液成分が減少してしまう病気のお話。
ある日、皮膚に何か青あざのようなものができて、食欲がなくなった様子。


特にどこかにぶつかったようでもなく、病院へ来院されました。
血液検査をしてみると血液の上澄みが赤くなっておりました。
これを溶血といいます。

溶血が起こる原因は、色々ありますが、たとえば、フィラリア症・・・心臓にいる寄生虫が血液を壊してしまう。その他に、腫瘍、感染症、などが考えられますが、良く起こる原因としては、タマネギ中毒があります。
でも、今回のケースは、そのようなものを食べたこともなく、他の血液検査をしてみると・・・。


赤い血液の成分の形の異常などがみられます。また、血小板はほとんど確認できませんでした。
最終診断として、自己免疫疾患。赤血球と血小板が減少する病気でした。
また、最初の皮膚の状態を紫斑といい、血小板が少ない時に見られる症状のひとつです。
血液の濃度も正常の半分以下になっていたため、救命治療としてその日のうちに輸血。
そして、次の日からは免疫抑制治療の開始を行いました。


幸いにも1週間後くらいで十分な量の血小板が確認され、一ヶ月くらいで血液検査でも安定するようになりました。
毎年、自己免疫疾患の治療するケースがありますが、今回のケースは、かなり重症であったため救命できて幸いでした。
何故か、年々こういう自己免疫疾患は増えているような気がします。
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