自然になくなってしまうことのある腫瘍・・・組織球腫


ビフォーアフターですが、左右のわんちゃんの鼻の部分にデキモノがありますが、3ヶ月くらい経過した時点で比較するとあったところにないです。
これは、手術をしたわけではありません。
詳しくは、次へ・・・。
腫瘍の中には良性腫瘍で自然に消失(なくなる)してしまう種類のものもあります。
その代表的なものがこの”組織球腫”という腫瘍です。
一般的にデキモノができて診察に来られた場合、麻酔をかけずにできる検査として最初に細胞診というものを行います。
これは、通常、注射で使用する針を用いて腫瘍の細胞を少しだけ採取し、染色することで簡易診断することができるものです。
今回、細胞診を行うと・・・・・


このような丸い形をした細胞が採取されました。
いわゆる、円形細胞という種類に分類されます。
このような、細胞がとれた際、診断リストにあがってくるのが、 ①組織球腫 ②リンパ腫 ③肥満細胞腫 というものが考えられます。
今回の場合、細胞の形から仮診断しましたが・・・。
肥満細胞や皮膚にできるリンパ腫も同じように見えることがあるので要注意です。
腫瘍の最終診断は、組織を病理検査に出して、診断してもらうしかないため、経過をみて小さくならないようであれば、外科切除をすることになります。
同様に、細胞診で組織球種と診断しましたが、数ヶ月経過しても小さくならないため、手術したケースがあります。


この腫瘍は、若いわんちゃんに多いので典型的な例だったんですが・・・。
わきの部分の皮膚に出来た腫瘍で、わんちゃん自身も気にしてなめていたため手術することになりました。
そして、取り除いた組織を病理検査に出すと、診断は” 組織球種 ”。
腫瘍という敵は、なかなか予測がつかない動きをすこともあり、良性の場合でも生活に支障を及ぼすこともあります。
様子をみることができる腫瘍もありますが、それは、これまでの経過や細胞診などから総合的な判断をするため、様子をみるにしても、1~2ヶ月後には病院でチェックするほうが良いと思います。
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