精巣にまつわる病気


上の写真は、肛門のまわりに何かできものが・・・
下の写真は、本来あるはずのものが1個しかない。
以下、手術の写真も記載されているためご注意ください。
左の写真のワンコはいわゆる肛門周囲腺腫というデキモノができているのです。
高齢になってくると男性ホルモンの分泌により肛門および尾の部分に腫瘍ができてきて、最終的には大きくなりすぎて破裂、出血、化膿するため出来るだけ早い段階で手術するか?
予防的に若いときに去勢手術をすることをお勧めいたします。

腫瘍の病理検査の結果も、予想通りの”肛門周囲線種”という良性の腫瘍であったため、去勢をすることで再発はなくなるでしょう。

また、お腹の中にあった1個の精巣も同時に摘出することで精巣腫瘍にならないようにしました。
2例目のワンコは、ボクサーですが、犬種的に停留精巣になりやすい犬であることが獣医学書には記載されていました。
以前にも、何度か停留精巣や精巣腫瘍についてはお話しておりましたが、今回のワンコでは、精巣が萎縮して病理検査では精巣の細胞が確認できなかったのです。
以下、手術の写真ですが・・・。

精管および精巣動脈らしきものをたどっていくと・・・。

大網とよばれる脂肪の膜のあいだから精巣らしきものが見つかりました!

大きさを比較してもかなり小さきものであることがわかります。
念のために病理検査に出してみると・・・
精巣周囲の組織は確認できるが、精巣自体の細胞が確認できないほど、萎縮して違う組織になっているとのこと。
停留精巣は、正常な精巣の10倍以上腫瘍化しやすいため、改めて、去勢の大事さを実感しました。
そして、最近のワンコの停留精巣の多さにも驚かされます。
遺伝的な要素がありますので、停留精巣のワンコの子供は、また、停留精巣になるため繁殖はしないようにしましょう。
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